ここでは粤劇の観賞に役立つであろう知識をまとめておきます。ちなみに粤劇は2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。
登場人物
当然演目によって登場人物は様々ですが、それぞれ次の4パターンに大別できます。
- 生(saang1)
- 男性。若い者は小生、年長の者は老生、兵士は武生など細分化される。
- 旦(daan3)
- 女性。若い者は花旦、年長の者は老旦、兵士は武旦など細分化される。
- 浄(zing6)
- 隈取をした男性。隈取の模様はその役の性格によって異なる。
- 丑(cau2)
- 顔に白丸ペイントを施した道化。男性なら男丑、女性なら女丑、兵士なら武丑など細分化される。
小道具など
小道具や仕草など、その意味するところを知っていると話の筋がわかりやすくなります。
- 翎子
- 武将が頭に付ける雉の尾で、その役の技や感情などの表現に使用される。
- 旗
- 中国の神様にも見られる表現で、背負った旗は兵士をあらわす。武生や武旦が旗を背負っていたら、軍隊を率いた武将ということ。
- 手動作
- 音楽に合わせた手指の動作。女優は掌で蓮の花のような優雅な形を作り出す。
- 長髪
- 通常鎧兜を身にまとった武将が長い髪を束ねて垂らしていたら、敗北や負傷を意味する。歌舞伎でいう病鉢巻みたいなもの?