Cantonese Opera for Foreigners

白龍關

 


龍關の内容を調べてみました。パンフレットに掲載されているあらすじは次のとおり。

宋太祖被北漢太子小白龍困於河東白龍關內。大將呼延壽廷與妹金定喬裝民女、逃出關外、欲求援兵。白龍太子為金定美色所迷、一時大意、下令放行。宋兵終反敗為勝、白龍太子蒼忙逃走、至飛龍嶺上重遇金定、金定在白龍太子苦苦懇求下、感念前情、竟違抗軍令私放白龍。

錆びついた漢文の知識とGoogleを活用してそれっぽく訳してみたのがこちら。

宋の皇帝は北漢の白龍皇子によって河東の白龍領内に捕えられていた。そこで宋の大将呼延壽廷は妹の金定を平民に変装させて關外に逃し、援軍を求めることにした。

白龍皇子は金定の美しさに惑わされ、金定はうまく脱出。

その結果宋軍は勝利。飛龍嶺まで逃げ延びた白龍皇子は金定と再会。金定は命乞いをする白龍皇子に情けをかけ見逃したのだった。

今回の演目は「白龍關(下卷)」なので、白龍皇子が飛龍嶺へ逃げ延びてきたところから始まります。

ちなみに飛龍嶺は海南島にあるようで、白龍は宋の南端まで逃げてきたということは相当に追い詰められていますね。

この演目の見どころはやはり強い武将としての金定でしょう。上卷では庶民姿であった金定が武具を身にまとい、白龍皇子と派手な立ち回りを演じます。

背中に担いだ4本の旗は多くの軍勢を表しており、援軍を従えた金定軍が白龍軍を圧倒しています。

一方上卷で旗を背負っていた白龍皇子は一転軽装になっており、冠もなく結んだ長髪を連獅子のように回しながら苦戦しています。垂らした長髪は敗者をあらわしており追い詰められていることがわかります。

圧倒的な強さで白龍軍を蹴散らす金定ですが、最後の最後に白龍皇子を見逃す際には優しい女性のしぐさに戻ります。

これは惚れるね。